断酒107日目|英語で観ていることを忘れるほど、タコと人間の物語に心を動かされた

断酒日記

断酒107日目。

今日も酒を飲まずに一日を終えることができました。

最近は英語の映画やドラマを観ることがすっかり日常になっていますが、今日は少し違う作品を観ました。

南アフリカの海を舞台に、ひとりの男性と野生のタコとの交流を追ったドキュメンタリーです。

最初は英語のリスニングも兼ねて観始めたはずなのですが、途中からそんなことは完全に忘れていました。

今日は「英語が聞き取れた」ということ以上に、作品そのものにかなり心を動かされた一日でした。

アメリカ英語ともイギリス英語とも少し違う英語

観始めて最初に気になったのは英語でした。

イギリス英語っぽさはあるのですが、完全なイギリス英語とも少し違う。

自分には、アメリカ英語とイギリス英語の中間のように聞こえました。

調べてみると、舞台は南アフリカ。

なるほど、それならこの独特な感じにも納得です。

少し前までなら、アクセントが変わるだけでかなり聞き取りにくく感じていたと思います。

最近はイギリス英語の作品もかなり観ているので、英語の種類が多少変わっても、そのまま話についていけるようになってきました。

これは地味ですが、かなり大きな変化だと思います。

野生のタコと少しずつ距離が縮まっていく

この作品で特にすごかったのは、野生のタコとの距離が少しずつ縮まっていくところです。

最初から人間になついているわけではありません。

警戒して逃げたり、隠れたりしながら、長い時間をかけて少しずつ相手を受け入れていきます。

その過程をずっと撮影していること自体が驚きでした。

どうやってここまで撮ったのだろうと思う場面が何度もあります。

タコという生き物についても知らないことばかりでした。

傷ついた足が再生していく場面にも驚きました。

普段食材として見ることもある身近な生き物なのに、海の中では想像していた以上に複雑で、知能も高く、感情のようなものまで感じさせます。

途中から「タコを観ている」という感覚ではなく、一匹の生き物の人生を見ているような感覚になっていました。

抱きつくように近づいてきた場面

特に心に残ったのは、タコがクレイグに近づき、抱きつくように触れてきた場面です。

あの瞬間だけを見れば、これからさらに距離が縮まり、もっと仲良くなっていくように思えます。

ところが、結果的にはそれが最後の直接的な触れ合いになってしまいます。

それを振り返りながらクレイグが涙ぐむ場面を見て、自分も泣きそうになりました。

その瞬間には、それが最後だとは分かりません。

「また明日も会える」

「これからもっと仲良くなれる」

たぶん、そんな気持ちだったのではないかと思います。

でも人生では、あとになって初めて「あれが最後だったんだ」と分かることがあります。

人間同士でも同じです。

何気なく交わした会話や、一緒に過ごした時間が、あとから考えると最後だったということがあります。

だから余計に響いたのかもしれません。

助けたいのに、助けないという選択

もうひとつ強く印象に残ったのが、クレイグが野生の世界へ必要以上に手を出さないことでした。

見ているこちらとしては、

「助けてあげてほしい」

と思う場面があります。

本人なら、なおさら助けたいはずです。

毎日のように会い、ここまで強い感情を持った相手なのですから当然だと思います。

それでも彼は、人間の都合で自然に介入しません。

これはかなり難しいことだと思います。

何もしないことが冷たいのではなく、

大切だからこそ、自分のものにしない。

そんな姿勢に見えました。

「好きだから助ける」だけではなく、「好きだから自然のままでいさせる」という考え方もある。

この部分にもかなり心を動かされました。

途中から英語で観ていることを忘れていた

そして今日、自分自身について一番驚いたのはここです。

途中から、

英語で観ていること自体を忘れていました。

分からない単語は当然あったと思います。

すべての文章を正確に理解できたわけでもありません。

でも、それを確認しようという気持ちすら途中からなくなりました。

タコがどうなるのか。

クレイグが何を感じているのか。

そちらのほうが気になっていました。

英語を日本語へ翻訳しながら観ているというより、映像、声、表情、分かる言葉をまとめてそのまま受け取っていたのだと思います。

最近映画を観ていると何度かこの状態になります。

英語の勉強をしているという意識が消えて、普通に作品を観ている。

以前、自分が目指していたのはたぶんこの状態だったのでしょう。

映画以上に感動した

今日は正直、最近観た映画の多くより感動しました。

脚本で作られた物語ではありません。

登場するタコも演技をしているわけではありません。

だからこそ、一つひとつの出来事の重みが違いました。

次に何が起こるのか分からない。

撮影している本人にも分からない。

そして、最後がいつ来るのかも分からない。

現実だからこその強さがありました。

最近は映画やドラマを観て泣きそうになることが増えています。

以前より感情が動きやすくなったような気がします。

断酒を始めてから、音楽を聴いたり、映画を観たり、生き物を見たりしたときに受け取るものが増えてきました。

酒を飲んでいた頃は、気分を変えるためにアルコールを使っていました。

今は作品を観て笑ったり、考えたり、感動したりしています。

同じ夜の過ごし方でも、中身はまったく違います。

断酒107日目、感じることが増えている

断酒を始めた頃は、

「酒を飲まなくなる」

という変化だけを考えていました。

107日経った今は、それだけではないと感じています。

英語が少しずつ聞こえるようになり、映画を字幕なしで楽しめるようになりました。

クラシック音楽を聴いて感動することも増えました。

そして今日は、野生のタコと人間の関係を描いたドキュメンタリーを観て、泣きそうになりました。

酒をやめたことで何か特別な能力を手に入れたわけではありません。

もともと自分の中にあったものを、少しずつ取り戻しているだけなのかもしれません。

考えること。

興味を持つこと。

何かに夢中になること。

そして、心を動かされること。

酒を飲まない生活が107日続いて、夜の時間がずいぶん豊かになりました。

今日は英語の勉強をしたというより、

英語で、一つの素晴らしい物語を体験した日でした。

こういう時間が増えていくなら、これから観られる作品はまだまだたくさんありそうです。

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