今日は断酒119日目です。
100日を超えてからも一日ずつ積み重ねていますが、酒を飲まない生活がかなり普通になってきました。
断酒を続けるようになってから、以前よりも日常のちょっとした不便について考えることが増えた気がします。
酒を飲んでいた頃なら、仕事から帰ったらまず飲んで、その日のことはそこで終わりになっていたと思います。
今は、
「ここ、もう少し楽にできないかな」
「毎回やっているこの作業、本当に必要なのかな」
と考える余裕があります。
最近は、自分用の小さなツールを作ったり、面倒な作業をできるだけ減らす方法を考えたりすることも増えました。
今日はそんな流れから、ある証券会社に保有している資産全体を分析するために、
「現在持っている資産を、できるだけ少ない手間で取得するにはどうすればいいのか」
を調べていました。
国内株、米国株、ETF、投資信託、現金などをまとめて確認できれば、現在のポートフォリオもかなり把握しやすくなります。
最初は、
「証券会社なら、現在の保有資産をまとめてCSVで出力するくらい簡単にできるだろう」
と思っていました。
ところが調べ始めると、そう簡単ではありませんでした。
全資産を見たいだけなのに入口が多すぎる
今回調べてみると、
- 資産全体を見るページ
- ポートフォリオ画面
- 円貨建の保有証券一覧
- 外国株式の口座情報
- 取引残高の報告書
- 電子交付された書類
など、いくつもの場所に情報が分かれていました。
欲しいのは、
「現在、自分が何をいくら持っているのか」
という単純な情報です。
ところが、それを一か所からきれいに取り出すのが意外と難しい。
資産全体を見るページは、ざっくり確認するには便利です。
しかし、現在保有しているすべての銘柄を、そのまま分析しやすいデータとして取り出せるわけではありません。
ポートフォリオ画面にはデータを出力できる機能もありますが、それだけですべての資産を把握できるわけでもありません。
正式な残高報告書もあります。
ただし、リアルタイムの残高確認とは少し用途が違います。
さらに国内の商品と外国の商品で、確認する場所まで分かれていました。
いろいろ調べた結果、
「国内側の保有証券データ」+「外国株式側の口座情報」
あたりを使うのが、情報量と人間側の手間のバランスがよさそう、というところまでたどり着きました。
そこでふと思いました。
なんで自分の資産を見るだけで、こんなに攻略しなければならないんだろう。
預り金を見るだけでも迷子になる
この証券会社のWebサイトは、以前から使うたびに分かりにくいと感じることがあります。
以前も、
「今、預り金はいくらあるんだろう?」
と思って確認しようとしただけなのに、目的の数字へたどり着くまでかなり苦労した記憶があります。
ユーザーが知りたいことは、
「今いくら持っている?」
「現金はいくら?」
「米国株はいくら?」
「書類を出したい」
という程度です。
ところが実際には、
「資産一覧」
「口座管理」
「ポートフォリオ」
「外国株式」
「電子交付」
といった、いくつもの入口を移動することになります。
使う側が、証券会社内部の商品区分やシステム構造まで理解しなければならない。
これは少し変な話です。
巨大な建物を増築し続けたようなシステム
おそらく、こうしたWebサイトも最初から現在の巨大な仕組みをすべて設計して作ったわけではないのでしょう。
新しい商品が増える。
新しいサービスが増える。
新しい制度に対応する。
そのたびに新しい機能やページが追加されていく。
その結果、
巨大な建物を何十年も増築し続けたような構造
になっているのではないかと思います。
部屋そのものはちゃんと使える。
しかし、
「目的の部屋へどうやって行けばいいのか」
が分かりにくい。
これは証券会社だけの話でもありません。
仕事で使っているシステムにも似ている
今、仕事で使っている会社のシステムにも似たところがあります。
システムを作る側から見れば、
「このボタンを押せばできます」
「この画面を開けば確認できます」
という状態になれば、機能としては完成なのかもしれません。
でも実際に毎日使う側からすると、重要なのはそこだけではありません。
その操作を1日に何十回するのか。
目的の画面を毎回探さなければならないのか。
同じ情報を何度も入力しなければならないのか。
1クリック増えることで、一年間に何千クリック増えるのか。
こういう部分のほうが、現場では大きな問題になります。
「機能として動くこと」と「使いやすいこと」は別物です。
日本の業務システム、だいたい死にゲー説
そんなことを考えているうちに、自分でもちょっと笑ってしまう例えが浮かびました。
「今の日本のシステムって、死にゲーと一緒じゃない?」
考えてみると、かなり似ています。
説明が少ない。
初見ではどこへ行けばいいのか分からない。
間違った場所へ行って覚える。
経験者は、
「慣れれば簡単ですよ」
と言う。
攻略情報を見ないと目的地へたどり着けない。
そして慣れてくると、自分なりのショートカットを作り始める。
かなりフロム・ソフトウェアのゲームっぽいです。
例えば証券会社のWebサイトなら、
「資産一覧を突破した!」
↓
「しかし預り金への道は開かなかった」
↓
「外国株式のページへ行け」
↓
「え、別マップなの?」
みたいな感じです。
ゲームなら面白い。
Demon’s SoulsやDark Soulsなら、
「こんなの分かるか!」
と言いながら探索すること自体がゲームになっています。
でも証券会社のWebサイトでは困ります。
預り金を見るために攻略Wikiを読む必要はありません。
しかもフロム・ソフトウェアは元システム会社だった
そして、この例えを思いついてから、もう一つ思い出したことがあります。
死にゲーで有名なフロム・ソフトウェアは、もともと1986年にビジネスアプリケーション開発を目的として設立された会社でした。
もちろん、
「昔の業務システム開発の思想が、そのままDemon’s Soulsになった」
なんていう話ではありません。
そこにつながりがあると言いたいわけでもありません。
ただ、
「日本の業務システムってフロムゲーみたいだよね」
と考えた直後に、
「そういえばフロムって、もともとシステム屋だったな……」
と思い出したので、妙に面白くなってしまいました。
だったら自分専用の攻略画面を作ればいい
ただ、証券会社のWebサイトそのものを自分が変更することはできません。
そこで別の方法を考えました。
自分専用の入口を作ってしまえばいい。
以前、映画やドラマ、YouTubeなどを管理するためのローカルHTMLを自分用に作りました。
だったら同じように、
証券会社を使うための自分専用HTML
を作ってしまう。
例えば画面には、
- 全資産
- 預り金
- 国内株
- 米国株
- 投資信託
- 入出金
- 電子交付
- 資産分析用データ取得
といった、自分が実際によく使う入口だけを並べます。
証券会社の複雑なサイト構造そのものを覚える必要はありません。
自分が知りたい、
「目的 → 最短ルート」
だけをまとめてしまえばいい。
言ってみれば、
死にゲー用の攻略Wikiとファストトラベルを自作する
ようなものです。
これは結構便利そうなので、本当に作ってみようと思っています。
良いシステムは「何をさせないか」まで考える
今回のことで一番残ったのは、この部分でした。
良いシステムとは、
「何ができるか」
だけではなく、
「人間に何をさせずに済むか」
まで考えて作られたものなのではないか。
コンピューター側の処理が多少増えてもいい。
その代わり、
人間が探さなくていい。
何度もクリックしなくていい。
同じ情報を入力しなくていい。
ファイルを探し回らなくていい。
そのほうが、ずっと良いシステムだと思います。
最近、自分用の小さなプログラムやツールを作るときにも、この考え方をかなり意識するようになりました。
ログファイルを人間が探す必要はないようにできないか。
手入力する前に、自動化できないか。
いくつものファイルを用意する前に、本当に全部必要なのか。
まずできるところまで機械側で処理して、それでも足りないものだけを人間が補う。
その順番のほうが自然だと思います。
今回の資産分析でも、
最初から大量のデータを集めるのではなく、
まず必要なものを調べる。
取得する情報をできるだけ少なくする。
それで不足した部分だけ後から追加する。
手入力はできるだけ避ける。
という方向で進めています。
こういう考え方のほうが、人間とコンピューターの役割として自然な気がします。
システムを攻略する時間は、本来いらない時間
今日は単純に、
「証券会社にある資産データをまとめて分析したい」
というところから始まりました。
それが最後には、
「なぜ業務システムはこんなに分かりにくいことがあるのか」
という話になり、
「死にゲーと同じじゃないか」
となり、
最終的には、
「良いシステムとは、人間の手間を減らすものではないか」
というところまで来ました。
考えてみれば、システムというのは本来、人間の仕事を楽にするためのものです。
そのシステムを使うために、人間がシステムの都合を覚えなければならない。
攻略方法を覚える。
裏技を覚える。
ショートカットを自作する。
そこまで来ると、少し順番が逆になっている気がします。
ゲームなら初見殺しも楽しい。
でも仕事や資産管理なら、
初見で分かるほうがいい。
そして理想を言えば、
説明書を読まなくても、やりたいことへ自然にたどり着ける。
そういうものが、本当に使いやすいシステムなのだと思います。
断酒119日目。酒に使っていた時間の使い道が変わった
今日は断酒119日目。
119日前には、今のようにシステムの使い勝手について考えたり、自分用のツールを作ろうとしたりする生活になるとは、あまり想像していなかったと思います。
以前なら仕事から帰って酒を飲み、そのまま一日を終えていました。
今はその時間に映画を見たり、英語を勉強したり、投資について調べたり、自分用のツールを作ったりしています。
今日やっていたことも、派手なことではありません。
「証券会社のWebサイトを、もう少し楽に使えないか」
というだけの話です。
でも、こうした小さな不便を一つずつ減らしていくことも、生活を少しずつ良くしていくことなのだと思います。
断酒119日目になって感じるのは、酒を飲まなくなったことそのものだけではなく、
酒に使っていた時間や、酔って失っていた時間の使い道が変わってきた
ということです。
断酒そのものがゴールというより、
戻ってきた時間や頭の余裕を何に使うか。
最近は、そこが少し面白くなってきました。
とりあえず自分は、証券会社の巨大なWebサイトを全部覚える代わりに、
自分専用のファストトラベル画面を作るところから始めようと思います。
断酒120日目を迎える頃には、少なくとも「預り金を見るための攻略」は、少し楽になっているかもしれません。

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